無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

―――――――――――




カコン…



その何かを外すような音に、全員が天井を見上げた



天井にぽっかりと出来た穴から、ボールのような物が落ちてきた




「…？」






プシュゥウゥーゥウ!!!



突然ボールは、勢いよく煙を噴射した



「な…なんだ!!?」



「煙幕だ!!何が起こってる!?」



その場にいた者たちは、取り乱し、パニックになった






――――――





「行け、大志」



全身真っ黒に着替えた大志は頷くと、スタッと
"夕暮れ"の前に下りた


保護ケースを外すと、警報機が鳴り響く


ビィーー　ビィーー!!



しかしそんなことはお構いなしだ



"夕暮れ"を手に取ると、思いっ切り上に投げた




井上は絵を上手くキャッチし、先端に重りを付けたロープを下へと垂らす




大志はロープに掴まりよじ登ろうとした


その時だった





ガッと腕を掴まれた



!!?



振り向けば、大志の腕を掴んでいたのは斉藤だった




「逃がすかこそ泥!!」




幸い、黒の覆面で顔を隠していたため
向こうはこっちの正体に気づいてはないようだ




しかし、まずいことに違いはない