All Arounder
第23章 Affection
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部屋に入ると、大志は早速荷物をまとめ始めた
『…大志…』
「何だよ?」
大志は顔も合わせず、ただ大きな鞄に必要な物を全部詰めていった
『ほんとに…家出ていくの?』
「姫にゃあ関係ねぇ」
『だって…こんなのやだよ』
「うっせぇな、人ん家の問題に口出すなよ」
『…』
姫は口をつぐんだ
すると、コンコンと扉を叩く音がし、ゆうひが顔を出した
「姫ちゃん、ちょっといいかな?」
ゆうひが手招きするので、姫は廊下に出た
『…はい?』
「お願いがあるんだけどさぁ…」
ゆうひは姫の耳に顔を近付け、ヒソヒソと話し出す
「斉藤を…慰めてあげてくんないかな?」
『え、あたしが?
何で…』
「あいつ、大志が生まれてからはあたしや美空の前では全然泣かないの。
溜め込んでたら心配だし…ダメ?」
ゆうひが申し訳なさそうな顔をするので、断りづらくなり…
『わ…かりました…』
とりあえず了解し、姫は1階へと下りて行った
それを見届けたゆうひは、もう一度大志の部屋の扉をノックした
「ん」
無愛想な返事が来たので、ゆうひは苦笑しながらも部屋へ入った
「大志…ちょっといい?」
「何?」
ゆうひがベッドに腰掛けたので、大志も隣に座った