All Arounder
第4章 A Detective’s Son
「あいつだ」
大志は前方に見えた男を指差した
「下着泥棒が?」
「ああ」
何を根拠に…
と思った瞬間、大志は走り出した
「お、おい!!」
大志は男に声をかけた
「すいません」
男は不快げな顔をこっちに向ける
しかし声をかけたのが若い少年だと分かると、舌打ちしてまた歩き出した
そんな男の態度に少し苛立ち、井上は男の腕を掴んだ
「おいこら、無視ってのはねーだろ…」
無理矢理引っ張った時だった
バサバサ…っと男の懐から何かが落ちた
「…」
「…」
大志はニコリと笑い、落ちたものを拾い上げた
「はい、確信犯~。
ブラジャーにパンツだよなぁ?」
「くっそ…!!」
男は青ざめた顔をさせながら、井上の腕を振り払って逃げ出した
「あ、待ちやがれ!!」
井上はポケットからさっき大志に渡されたエアガンを取り出し、男に向けた
「痛いとこ狙えよ?」
「言われなくてもわかってるっつーの」
パン!!
と一発、ちゃちな銃声が住宅街に響き渡った