All Arounder
第24章 Parasite
そうこうしているうちに夜になった
大志も井上も、何度も姫に手錠を外すよう頼んだが
姫はニコニコするだけで全く聞いてくれない
…笑顔は一級品だが…ここまでくると憎らしくなってきた
「姫、外せ」
『ううん』
「姫ちゃん、頼むから外してくれよー…」
『外さない』
ああ
泣かせてやりたい
『あ、お腹空いてきたね。何か作ろっか』
姫は二人を無視しながらキッチンへ向かった
「…どうする、大志?」
「どうするって…このままじゃ何も出来ねぇだろ」
『お風呂でも入ったら?
あたし晩御飯作っとくから』
キッチンからそう聞こえ、大志と井上は顔を見合わせた
──────────
二人は仲良くくっついたまま脱衣所に入った
「ありえねーありえねーありえねーありえねー…」
「うっせぇな…文句なら姫に言え」
「くっそぅ…こんな屈辱は久しぶりだ
…どうやって入る…?」
「…もうさっさと入っちまうか…」
大志の提案に、井上は頷いた
仕方なく上を脱いでいくことに…
しかしここで大変なことに気がついた
「た…大志…」
「ああ、やっかいなことになった…」
服が脱げねぇ…