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All Arounder

第24章  Parasite





「姫ちゃん、何だこれ?」



腕を上げるとジャラッと音がする


井上の手首にはめられていたのは、手錠だった




『はい、大志もっ』



カシャン




「は?」




手錠は、井上の右腕と大志の左腕にはめられた





『家にいる時は、これで安心でしょ?』




「"安心"って…もしかして俺対策?」




「姫…手錠なんてどっから持ってきたんだ…?」





『なんか落ちてたから』




嘘つけ





「これ、ちゃんと取れんのか?」



「いででっ」



大志が腕を上げると、井上の腕も上がる




『大丈夫っ、鍵はちゃんとあたしが持ってるから』




姫は満面の笑みで、手錠の鍵をちらつかせた





「俺やだよ!?
何で四六時中大志とくっついてなきゃなんねーの!!?」




『大丈夫、仕事中は外してあげるからさ』




「仕事中に外しても意味ねーんだって!!
家で外さねーと姫ちゃんとイチャイチャ出来ねーじゃん!!」




「本音が出たな…」




『うん、なおさら外してあげらんないや』





姫は鍵に紐を通すと、それを首に掛けた





「姫…、オレもこれは嫌だ」




大志は手錠を指差す





『何で?』




「家にいる時って…つまり、風呂もトイレもこのままってことだろ…?」




『当たり前じゃん』




井上は目を見開いた




「い…嫌だー、何で男とそこまで一緒にいなきゃなんねーんだあ!!?」




『我慢我慢』





「鬼畜めー!!」









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