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そんなある日、街中をブラブラと歩いていた時だった



道端で５、６人の男子高校生がたかっているのが目についた





「…」




見た感じ、一人の中坊が高校生に絡まれているようだ



中坊が高校生の気に障ることでもしたのか

それとも、ただ目についただけで捕まったのか…




どっちでもいい



俺には関係ねーよ




井上がその場を通り過ぎようとした時だった




後ろから、バキッという音が耳に入った




…あーあ、とうとうリンチあっちゃったなー




気の毒そうに後ろを振り向き、井上は絶句した




歯が折れ倒れていたのは、高校生の方だったのだ





「なっ…なんだこのガキぃ!!」


「構わねえ、やっちまえ!!」





高校生たちは寄ってたかって中坊に襲い掛かった




しかし




圧倒的と言っていいだろう





中坊に高校生の拳は届かず、次々と高校生は倒れていった






この、人を殴っているときの中坊の顔…





思わずゾクッとした





その少し持ち上がった口元



爛々と輝く目




全体的に満足したような表情に




目を奪われてしまった















あっという間だった



地面には高校生たちが倒れ伏し、中坊は何事もなかったかのように歩き出した





歩き出した方向は




俺の方だった