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All Arounder

第26章  Encounter




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『大志って…そんな人だったんだ…』



姫は口をあんぐりと開けた




「ああ、俺並の遊びっぷりだったからなー…幻滅した?」




『んー…わかんない』




姫の反応に、井上は苦笑した





「なるほどなー、大志に落胆したなら俺に惚れてくれよ」




『落胆してないもん』




「へーえ…じゃあ続きな…」





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「────で、ちょっと声掛けたらまた引っかかんだよ。
いい加減学習しろよなーとか思わねー?」




「オレは別に、自分から誘ったりしねぇよ。
向こうが勝手に近寄って来やがんだ」




大志はまた酎ハイを飲んだ





「あ、勘違いすんなよ?
俺だって毎度毎度誘ってるわけじゃねーからな…
極マレにだ」




「対抗してんのか…おめぇ面白ぇな
名前、何つぅんだ?」




「俺は井上退斗だ」




「斉藤大志。何か名前似てんなぁ」




大志はくすっと笑うと、井上に酒を出した





「この一杯は、オレの奢りだ」



「ガキに奢られるたーな…そんならこれは俺からの奢り」




井上は別の酒を大志の前に持っていく





「乾杯」



「おう、乾杯」














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