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『大志ー、お菓子買っていい？』



「おう、好きにしろ」




『やった』




姫は子供のようにはしゃぎながら、お菓子売場へと駆けていった




「あんま食って太るなよー？」



井上がボソッと忠告する




今日は３人で買い物に来ていた

前のように誰か一人が買い出しに行くと、変な誤解を生んだりしかねないと考え
極力一緒に行動するようにしているのだ




「お、"じゃがぴぃ"の新作だってよ」



「コンソメ味か…よっしゃ、一回買ってみよーか」




カゴに"じゃがぴぃ"をいくつかほうり込み、他の食品を見て回ろうとした時

姫が戻ってきた





『いっぱい買っちゃったっ』




「姫、…もう"じゃがぴぃ"は買っちまったから返してき…て…」



大志は途中で言葉に詰まった




『どうしたの？』




「姫ちゃん、お菓子は買ってきてもいいけど
人を連れてきちゃダメじゃねーか」



『へ？』




井上が自分の後ろを見てそう言うので
意味もわからず、姫は後ろを振り向いた



そこにいたのは





「お嬢様」




『…黒羽？』






正真正銘の黒羽だった