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「待ちやがれ」



「!!おっと」




突然衿を引っ張られ、黒羽の足は止まった


ちらっと後ろを向いてみると、大志が掴んでいたのだ




「姫を離せ」




「お嬢様の腕が絡み付いているので、無理です」




黒羽の台詞に、姫は驚いて手を離した



『ちょっと黒羽…下ろして!!』



「…お嬢様の命令なら…仕方ないですね」




黒羽はゆっくりと、姫を足から下ろしてやった



と

姫の足が地についた途端、またもや姫は腕を引っ張られた





『えっ…///』




「うら、逃げんぞ」




自分の手を引く先に見えた、無邪気な笑顔


その笑顔が、あたしを笑顔にしてくれるの





『うんっ///』




姫もその手を、ギュッと握り返した









「お嬢様…!!」



迂闊だった

と、黒羽は大志と姫を追いかけた




「あ!!大志の奴、人のことは散々言っといて自分は抜け駆けかよー!!?」



後から駆けてきた井上も、黒羽と一緒に二人を追った