All Arounder
第28章 My Little Girl
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「本日から我々の仲間として入った、黒羽だ」
周りの人間のしらけた目
「黒羽隆司と言います。よろしくお願いします」
あんたらがそうなら、俺だってろくな態度とってやらない
「黒羽についてもらう仕事は…」
何でもいいさ
トイレ掃除だって食器洗いだって何でもしてやる…
「お嬢様のお守りだ」
「へ?」
まだ15かそこらの俺は、もちろん使用人の中では最年少で
だから反って、"お嬢様"の世話役を任されたんだろう
…正直、めんどくさい
確かここのお嬢様って、まだ小学生になったばかりの子じゃなかったっけ?
子供は、うるさいから嫌いだ
しかし文句を垂れているばかりではどうしようもないので
俺はお嬢様に挨拶をしに行くことにした
コンコン
『はーい?』
扉を叩くと、部屋の中から明るい声が聞こえてきた
「お嬢様、失礼します」
『どうぞお』
一礼して部屋に入ると、俺を迎えてくれたのは
本当に小さな少女だった
『だあれ?』
少女は小首を傾げた
「今日から新しくお嬢様の世話役をいたします、黒羽と申します」