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七香に来いって言われたからついて来たけど…


ここどこだ？


ってか、この目の前の男は誰だ？




「退斗っていうのか、カッコイイ名前だな」




にこっと笑って言われた



どうやら褒められてるみたいだし、悪い奴じゃなさそうだ




「退斗、この人はマスターっていうんだよ」



七香は俺の方を見て言った





「マスター？
変な名前」




「確かに変だな、はっはっは」



マスターって男は、俺の頭をガシガシと撫でた



父親がいるならこんな感じなのかな…

と、久しぶりにそんなことを考えた











その日から、七香がバイトの日は毎日のように"酒場"というところへついて行った




いつの間にかそこが、俺のもうひとつの家になっていて


マスターとも、外へ遊びに行くほどになっていた







「マスター、外遊びに行こ!!」




「わかったわかった、七香ちゃんごめんね、ちょっと店任せるよ」




「いってらっしゃい、退斗、あんまりマスターに迷惑かけちゃだめよ？」





「わかってるー!!」





俺はマスターの手を引っ張り、酒場を飛び出して走っていった