All Arounder
第31章 Have A Gun
「退斗、今日はどこ行きたい?」
「射撃場!!」
「またか…」
退斗と町を歩くようになってからは、毎回のように射撃場に寄るようになった
退斗はどこかへ遊びに行くよりも、まずは射撃場へ行きたがる
そんな小学生だった
――――
ダァン!!
「凄いな退斗、ど真ん中だぞ!!」
「マスターもやってよ!!」
「ええ…俺は…」
ダァン!!
的にすら当たらなかった
「マスター下手くそ~」
「うるさいなぁ、そんなこと言ったらもう帰るぞ」
「えーやだー」
本当に、退斗の腕には驚いた
誰に習ったわけでもなし、ただ俺と一緒に射撃場を訪れるようになって
こんなにも上達したのだった
「…退斗、いいとこに連れていってやろう」
「え、別にいいよ」
「いいから、きっと喜ぶと思うんだ」
俺は退斗にそう言うと、射撃場を離れ
ある場所へと向かった
入ったところは、アクセサリー店だった
「俺こんなとこ来たくねー」
「まぁまぁそう言うな」
退斗の手を引き、店の奥にある地下への階段をコツ コツ と下りていった