All Arounder
第32章 Go Mad
「…大志」
井上は大志を呼んだ
「あ?」
「ちょい、こっち来てくんねー?」
大志は荷物をその場に置き、リビングへ向かった
「何だよ?」
大志が問うと、井上は大志の方へ向かい合った
「…俺を殴ってくれ」
「…は?」
『…』
「すっげー愉しそうに、俺を殴ってくれよ」
大志は不審げな目をして井上を見た
「やっぱ…病院行くか?」
「いいから…じゃ、愉しそうでなくてもいいから、殴ってくれ」
ゾクゾクさせてほしい
あの顔、見せてほしい…なぁ、頼むよ大志…
「誰が理由もなしに殴るかよ、さっさと病院行くぞ」
「理由があれば、いいのか?」
井上はちらっと姫の方を見た
「…この前大志がいなかった時に、姫ちゃんとやった」
『え!?///』
その瞬間、大志の顔つきが一気に変わった
「…んだと…?」
「すげー良かった、今まで抱いた女の中で一番だったわ。
なんつーか、締め付け最高」
ガッと、大志は井上の胸倉を掴んだ
「てめぇそれ、わかっててオレに言ってんのか?」
「ああ、だって姫ちゃんは別に大志のもんじゃねーだろ?
喘いでる姫ちゃん、マジ可愛かった」
「井上てめぇ…!!!」
『ちょっ…まっ、待って待って!!』