All Arounder
第37章 Suggestion
「俺の他に態度がでかい奴がいるけど…井上君は俺の指示だけ待てばいいからね」
「…了解っす」
そんな会話をしながら連れて来られた場所は、薄暗い地下室だった
扉を開けて入るとどうだろう
いるわいるわ、人相の悪い人間ばかりがざっと20人はいる
ザ・犯罪集団といった感じだ
その真ん中の方で偉そうに座っている男は、小泉が来たことに気づくと嬉しそうに笑った
「小泉、待ってたぞ。久しぶりに外の空気を吸ってどうだった?」
「久しぶりもなにも、たった半年かそこらだよ、千堂?
まあでも、牢屋よりかは空気は美味しかったね」
「…牢屋?」
井上が小さく尋ねると、「ちょっとお世話になってたんだ」と小泉は答えた
「とりあえず…これから計画を説明する。
皆ちゃんと聞いとけよ?」
偉そうな男…千堂というのか…仕切だし、犯罪計画を喋り出した
…俺の役目は、そこまでリスクの高くないものだとわかった
他の連中は、警視庁に突撃したり、家を放火したり…小泉は単独行動を取るようだったが…
井上と共に行動する男が、井上に話し掛けてきた
「今回はよろしくな、相棒(笑)」
「…ああ、よろしく」
依頼人でもない人間には、別に敬語を使う必要もない
「とりあえず俺らがまずすべきことは…誘拐、だな」
「とちんじゃねーぞ?」
「どっちが」