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ピロリーン♪




「あ？」




前方から聞き慣れない音が鳴り、気になって目を開けた




目の前には、ニヤニヤしながら携帯を構えている葵





「おい…お前…」





「退斗のキス顔～激写あ!!///」




「んなあ!!??
葵てめーなぁあ!!///」




葵から携帯を取り上げようとするが、葵は見事にかわしていく



「これはネタやわ～、収穫収穫♪」



「俺のピュアな心を弄びやがって…!!」



「ごめんごめんっ(笑)
あ、ほらちょっとこっち来て」



葵は井上の衿元を掴み、自分の方へ引き寄せた



携帯を遠くからこっちへ向ける




「はいチーズ」

それと一緒に、またピロリーンと軽快な音が鳴った





ほっぺ密着度１２０％



葵の肌はきめ細かく、吸い付くようだった





「…なぁ、また会えたらええなぁ…///」




「…そだな///」







適当に食事を済まし、葵はそこから
井上とは違う方向へ足を進めた



井上はただ、名残惜しそうに葵を見送った



松茸と一緒に…













―――――――――――








「――とか、どうよこれ…向こうの連絡先とか全然知らねーうちに、さよならしちまったんだよ…」




井上は、テーブルに溶けていきそうなくらいダラッとなる



マスターはこの二人に、声の掛けてやりようがなかった