All Arounder
第41章 Rival Company
「ま、まあ二人とも、相手が出来てよかったじゃないか!!
大志も退斗も、一人の女の子を愛し抜くことは大切だぞ?」
我ながらいいことを言った…と、己に感動するマスターに
大志と井上はため息で応える
カランカラン
『ただいまー買ってきたぁ』
扉が開いたかと思うと、両手にいっぱいの袋を持った姫が入ってきた
「あ、姫ちゃんご苦労様」
『いえいえこれくらい』
姫は荷物をマスターに渡すと、ついでにお釣りも渡す
「お釣りいいよ、姫ちゃんが取っときな」
『ほんとですか!?
わーいっ///』
姫はお釣りを、自分の財布であろう、カエルの形をしたポーチへ入れた
たかが250円にご機嫌になる姫が子供らしく
そういうところがいちいち可愛い
「そーいや姫ちゃん、大志の代わりに仕事頑張ったらしいじゃねーか」
『うん、だからあたしもAll Arounderなんだよ』
「雑用な」
一言加える大志に、姫はポカポカとパンチを浴びせる
『あ、そういえば…』
何か重要なことを思い出したかのような姫の態度に
他の三人は注目する
『近くに"何でも屋"が出来てたよ?』
「「は?」」