All Arounder
第42章 Kiss Me
唇が離れると、それを寂しそうに
大志は姫の顔をそっと撫でた
髪を触ると、サラサラと揺れ動く
姫の目も、自然と俯く
「…姫…///」
初めて姫を見たとき
確かに、綺麗だと思った
けれど
これほど馬鹿で
おっちょこちょいで
可愛らしくて
愛おしく思える存在になるだなんて
夢にも思わなかった…いや、夢には見ていたのかもしれない
ただ
とりあえず言えることは…
「…好き…///」
大志はゆっくり
姫の唇へ、唇を重ねた
また訪れる幸福感
他では味わうことのできない感情に
埋め尽くされてしまいたい
『…///』
姫は拒むこともせず
大志の服の袖を掴んだ
「…///」
そんなところも可愛すぎて、姫の顔見たさに唇を離す
自分はどうだかわからないが
姫の顔は真っ赤だった
「姫は…?///」
大志の欲しがっている答に気づき、姫は少し尖らせた口を開く
『好き…///
大志…好き///』
そうやって、口元を持ち上げて笑ってくれるなんて
昔なら、信じられなかった
でも今ではそれが当たり前で
もっともっと、いろんな姫が見てみたくて仕方ない