All Arounder
第46章 Examine For Examiner
「嘉山さん、旦那さんが毎日取る行動ってありますか?」
「えっと…そうですねぇ…帰ったらコーヒーを飲みます。
子供みたいに、お気に入りのマグカップがあるんですよ」
「へぇ」
大志は少し考え込み、もうひとつ尋ねた
「玄関にスリッパが置いてありましたけど…旦那さんは室内でも履かれますか?」
「あ、はい。私は履きませんが、シゲは履きます」
それを聞いて、大志の口元がニヤッと上がった
「そしたらちょこっと、仕掛けてみましょうか」
「え?」
すると大志は、ひとり一階へと下りていった
「どこ行くんだ大志?」
「まぁ、見てろ」
大志は懐から、小さなプラスチックの箱を取り出した
蓋を空けると、液体が入っていた
「あ、それって…」
「ああ、蛍光灯を近くで照らすと、色が変わって見えるもんだ」
大志はそれを麺棒で取ると、スリッパの内側に塗った
「あ、それでシゲの足に付けば、シゲがどこを歩いたかわかるってわけですね?」
千花はポンッと手を叩いた
「その通りっす、んじゃこれは元の位置に…」
大志はスリッパの内側を触らないよう気をつけながら、玄関の前に並べた