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しばらくすると、奥の扉が開いた



いち早く反応したのは葵で、井上の姿が見えるや否や、すぐさま井上の元へ駆け寄った




「退斗ぉっ」




「大志、手伝ってくれ」




葵をスルーし、井上は大志に話し掛けた



「ったく、しゃあねぇな…」





大志は渋々立ち上がり、井上と千花と一緒に酒場を出ていった




「たっ、退斗ぉおぉー(泣)」




追いかけようとする葵を、姫は止める




『まあまあ葵ちゃん、仕事なんだから』



「いややぁあ～」


















「ここが家か」




井上と大志は、目の前に立つ、少し大きめの一軒家を眺めた




「はい。どうぞ上がってください」



千花は玄関を開け、二人を中へ招き入れた




中の部屋は畳とフローリングとで分けられている




「華道教室は、こちらで開いているんです」





軽く家の中を案内され、二階へ上がって千花の部屋へ入った






寝室はまた別の部屋で、ここはタンスや化粧台などが置かれている




「得に配置が変わっていたところは？」




大志は辺りをぐるっと見渡しながら聞いた




「洋服だんすの中とか…ですかね」





「なるほどね…」