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「でもきっと…幸せだったんじゃねぇかな…？」




「だから、今は？」





「今は…」





斉藤は髪を掻き上げた


自嘲気味な笑みを浮かべ、全てが曇って見えた






「今は…不安でいっぱいだ…」







「…斉藤でも、そう思うことあるんだね」




「オレだって人間だ…弱っちぃ奴だ」





そうだ…




なんかぽっかりと


穴が空いたみてぇなんだ





いつまでも引きずるつもりはねぇ



でも…


でもよ…







「大志がいなくなってから…不安になった」







家族が

こうも簡単にいなくなるなんて思っていなくて




このまま…美空やゆうひまでいなくなるんじゃないかって



そんな


そんな考えが




時折頭の中を駆け巡るんだ…











「…俺もね…大志に会ってからは、寂しくて仕方なかった」





「…」






「一人で生きていくつもりだったけど…
ふふっ、何だろうね、あの子…大切な存在が欲しくて欲しくて、堪らなくなっちゃってさ…」




小泉は斉藤の顔を見た





「でもさ、俺は…美空が愛してくれるから、幸せ」