All Arounder
第52章 Young Girl
「あらら、美男美女カップルですか〜。
すっごくお似合い♪」
胸の前で手を合わせる有利香の態度は、本当に素の物だった
「なぁなぁ、化粧うちにも教えてぇな」
葵が自分を指差して頼んでくると、有利香はさらに顔をほころばせた
「いいですよ〜
んむっ、この髪染めてるの?」
「ちゃう、地毛やで」
「にゃ〜すご〜い綺麗!!
羨ましいなぁ、あたしなんて頻繁に染めてるけど、見てこれ、根元黒いのがもう伸びて来た!!」
「逆に羨ましいわ、うちは黒い毛が良かった」
『葵ちゃんの髪、綺麗でいいと思うけどなぁ…』
「葵ちんって言うの?
あたしも葵ちんの髪の毛良いと思うよ〜?」
「そんな言わんといてぇな…照れるし…///」
『「かわい〜」』
そんな女の会話が終わるのを、大志と井上はそばでずっと待っていた
が、どうにも終わりそうにないので先に焼肉屋へと足を運ぶことにした
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「ちょっと、退斗も大志君も酷いわ!!」
『何で置いてったの?』
葵も姫も、有利香を連れて不機嫌そうな顔して店に入って来た
井上と大志は鉄板に油を塗って待っていたのだが、その相手の態度にムッとする
「おめぇら話が長ぇんだよ…」
「そうそう、こっちはちゃんと席とって待っててやったんだからなー」