All Arounder
第52章 Young Girl
姫と葵は、有利香を挟むようにして座った
4人掛けの掘りごたつに5人で座るのは、些か窮屈だ
「…なんでそのギャルがいんだよ?」
『有利香ちゃんは友達だよ?
そんな言い方しちゃダメ』
姫に怒られ、大志は少し身を縮める
「ああ、御心配なく〜。
あたし、自分の分は自分で払いますからぁっ」
有利香は、不服そうな男二人を納得させるようにそう言った
あらかた注文を済ましてしまうと、まずは女性陣の会話から始まった
大方、化粧についてだ
ちらほらと自己紹介も挟みながらの会話は、不思議と大志や井上にとっても退屈な物ではなかった
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「ところでよー、有利香ちゃんのその荷物って何だ?」
話が一段落ついたので、井上がそう話を振った
「あ〜これですか?」
有利香は後ろの壁に立て掛けておいた、細長い袋を指差した
黒い袋で包まれたそれは、1メートルほどある
「女の子の秘密ですよ、井上さん♪」
「いいじゃねーか、見せてくれよ」
「キャーえっちい」
和気あいあいとする二人に、周りからは溜め息が漏れる