All Arounder
第53章 Bring Back
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「どこに向かってるんですか〜?」
夕食を取り終えた一行は、焼肉屋を出て夜道を歩いていた
「俺らの仕事場みたいなとこだよ。
依頼はそこで受けることになってんだ」
「へ〜本格的ですね〜」
結局報酬は前払いの…竹刀を見せてもらっただけに留まり、今は酒場に向かっているところだった
「ってか、有利香ちゃんは剣道でもやってんの?
竹刀とか普通持ち歩かへんやろ」
「あ〜これは護身用ですよぅ。
いかにも強そうでしょ?
これがあれば悪い奴らも近寄ってこれないと思って♪」
「その割に、昨日は絡まれてたそうじゃねーか…」
「あれ〜ほんとだっ」
有利香はくすくすと笑うと、大志の背中に向かって喋りかけた
「でもそのおかげで、斉藤さんに助けてもらっちゃったし♪」
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しばらくすると、いつもの酒場が見えて来た
「ここだ」
カランカラン
おなじみの音が耳に入り、5人は酒場に足を入れる
「おうお帰り。
肉は旨かったかー?」
マスターはテーブルを拭いていた作業を中断し、相変わらずのお気楽な雰囲気で迎えてくれた
『とっても美味しかった!!
マスターにも食べさせてあげたかったなぁ』
「はは、ありがとうな、姫ちゃん」
これから、大志と井上は仕事に入る
毎度のように、二人は依頼人を奥の部屋へと連れて入った