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「…」



数秒の沈黙の後に、マスター以外の全員が口を揃えた。






「え？」





「このソードブレイカーの持ち主だろ？
俺のだよ、俺の」





このときの大志の顔は、今まで見たことのないほど情けなかった。




「マ、マスター…それ本気で言ってんのか？」



「嘘ついたってしょうがないだろ？
俺の本名は赤井久狼だ」


もう何年もの付き合いになるのに、
マスターの本名を知ったのは初めてだった


逆になぜ今まで気にならなかったのか不思議なくらいである



「ま…」




ダンっと大きな音がしたかと思うと、有利香がマスターの前に身を乗り出していた。





「まじっすか〜!?
やばっ、めっちゃ嬉しい!!」


ばさばさに生えたまつ毛を何度も動かし、その奥に見える瞳を輝かせた


そして横目に、大志と井上をとらえる


「さぁあっすが何でも屋さんですねい⭐︎
こんなにすぐに見つけてくださるなんて♪」


有利香はニヤけながら、椅子から飛び降りた