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All Arounder

第54章 You Asked For It




「そんな…姿で…」




無意識だった




上着を脱いで


七香の側に寄る





背後から喚き声が、通り過ぎていく






「ほら…服を着て…」





白く、痩せ細った体に上着を掛ける





「七香ちゃん、俺だよ…」






七香の目は薄く開いたまま


濁った色をさせていた

 



無造作に投げ出された手足は


冷たかった









「…ぁあああ…」












ーーーーーーそこでクタバッテル男だろ?






「死ねよ」









自分の声だと思えなかった




気がつくと

目の前にいたのは血塗れの男





もうすでに


頭撃ち抜かれてるぜこいつ





笑えちまうよ






こいつの間抜けヅラも笑えちまうし




死んでる奴の顔を殴る手を止められない自分にも笑えちまう





「お前なんてことを…!!」


後ろから、警察官に取り押さえられる





頬を床にべたりと付けられても


奴の顔から目を逸らせなかった





もう

抑えようのない感情が


頭にイメージを湧かせてくれる





殴って殴って殴って殴って殴って


手の骨が見えてしまうくらい殴り続けて


潰れてしまって何が何やらわからなくなった奴をもっと細かく切り刻んで



そのまま排水口へ流してしまおう




こいつが
憎くて
憎くて憎くて
憎くて


て憎くて憎くて憎くてニククテ











「ちょっとばかし…好きにさせてくれよぉ…」










七香がやっぱり愛おしくて







泣いていた







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