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All Arounder

第56章 Strong Women



「はいはい、もう泣かないの」



『うん…うん…』



「喧嘩が強いだけが強さじゃないから。
姫には姫の強さがあって、オレは充分それに守られてるよ。」






にへら

姫の表情が柔らかく崩れると、

今度は大志が姫を抱きしめた




「その笑った顔も、ありがとう///」






ーーーー
一方そのころ
ーーーー




「…なにしてるんだ?」



「し!
今話しかけたらあかん!」




葵の一喝が飛んでくる



「…ヨガ?」



「瞑想や瞑想、精神を集中させてるんや」




葵は座禅を組んで目を閉じていた


その姿が井上にとってはなんとも滑稽なのであった




「絶対やったことねーだろ、瞑想とか」


「ええんや、これはオリジナルや」


「ふーん」



井上は息を殺しながら、葵の後ろに回り込んだ


そしてそっと葵の耳元で語りかける




「あおい」


「うわぁ!びっくりした!邪魔せんといてーよ!」



葵は驚いて体を跳ねさせたが、一向に瞑想を止める気配はない



「…瞑想、続けろよ?」



「言われんでも…」




もみ




「こらーーー!!!!!///」



「だーうるせー、黙って瞑想してろ」



井上は、後ろから両手で葵の胸を掴んだ


そのままゆっくり寄せたり離したりと動かしていく




「だから…邪魔せんとってって…///」


「邪魔なんてしてないよ?」



「ふぁ…///」




ささやきと一緒に、吐息が耳の中に入ってくる


ついつい座禅させていた足を閉じさせてしまう




「退斗…ダメダメ…そんな…///」



「ん?」




「そんな触ったらっ…///」




好きな男に触れられる喜びと

素直に喜ばせてくれない自分の恥ずかしさと



葛藤しながらもやはり受け入れていく





「ダメじゃん、メーソー中なんだろ?」



「退斗のせぇやぁ…///」





井上の手のひらは温かく

包み込まれる感覚が堪らない




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