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All Arounder

第8章 Make You Smile





「姫ちゃん、遠慮せずにどんどん食べてね
あの馬鹿たちの分は気にせずに」


ゆうひは姫の前に大皿を運んだ



『少食…なんで』



「じゃあなおさら食べなきゃ」


大志の母親は、こんなにも優しい笑顔を向けてくれる


でもあたしは


笑顔で応えることが



出来ない…





無愛想な、人間だ…




少し俯く姫を見て、ゆうひは心配げに言った


「あ…おいしくなかったら、無理して食べなくていいよ…?」


そんなことない



『美味しいです』



でも



ただの言葉の羅列は



信じてもらいにくい…





「よっこいしょ」


すると、姫の隣に斉藤が座った

「姫ちゃんって言うのか?
よくあんな馬鹿と付き合おうとか思ったなぁ」



斉藤はおかずをつまみながら話し掛けた



『まぁ…』



これは返事に困った

なんせ付き合ってなどいないのだから…




「お兄ちゃんのどこが良かったの?///」



続いて美空が質問してくる



『え…何となく…』



「だってよ、大志。
てめぇは男としちゃまだまだだな」



「っせぇ…」



大志はソファーにくくり付けられていた




「あ、姫ちゃんお風呂どうするの?大志と入る?」

『結構です』



「お兄ちゃんフラれたね~(笑)じゃあ姫姉ちゃん、あたしと入ろうよっ」


「んじゃ、オレも一緒に…」



バキィッ!!



「いてぇな美空ぁ!!
小せぇ時は一緒に入ってたじゃねぇかよー!!」



「もしそんなことしたら、一生口利いてやんないから」



斉藤は黙りこくった





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