All Arounder
第10章 Parent And Child
目も冴えてしまい、姫は顔を洗いにいくことにした
大志を起こしてしまわないように、静かに部屋を出る
…確か、お風呂場の横に洗面台があったはず…
と、曖昧な記憶を頼りに一階へ下りていった
するとバシャバシャと音が聞こえてきた
どうやら、誰かが姫より先に顔を洗っているようだ
『…おはようございます』
そう言いながら姫が顔を出すと、
「んー?」
と、水を止めて大志の父親…斉藤が顔を上げた
「おー、姫ちゃんか。
おはよう」
斉藤はタオルで顔を拭くと、姫に場所を譲った
『すいません』
蛇口に手を掛けようとすると、斉藤が言った
「夜は楽しめたか?(笑)」
『は…?』
「だからよぉ、な?」
『しっ…してませんよ!!///』
ついムキになって、斉藤の腕を叩いてしまった
「姫ちゃん意外と暴力的じゃねぇか、さすが大志の女だ」
斉藤はケラケラと笑って、姫の頭をポンポンと叩いた
『…///』
ちらりちらりと大志と似ているところがある
どうもあたしは、この親子の前では調子が狂うようだ
それにしても…
『大志のお父さん、いくつですか?』
「次で47だな」
『…』
全然見えない…
30代かと思ってた…