All Arounder
第10章 Parent And Child
斉藤は、手早く髭を剃り終えると、こっちを向いて笑った
『///』
その笑顔に、うろたえるあたしがいる…
「大志の代わりに姫ちゃんが家に来てくれりゃあ、オレのハーレム実現すんのになぁ(笑)」
「ばっ…させっかよ!!」
「ゆうひに美空に姫ちゃんかー、いいじゃねぇか~」
「無視すんな!!」
斉藤は大志のパンチを流すと、笑いながら出て行った
「マジうぜぇ」
『大志とお父さん、どっちが強いの?』
姫はまじまじと大志を見た
「んなもんオレに決まってんだろ!!」
『へーえ…』
大志は、父親の前だけはえらく意地を張るんだな…
酒場にいるときは、あんなに物静かなのに…
「…姫は…」
『?』
大志は言葉を濁らせながら言った
「親父の前だと…て…照れんのか…?」
『…』
「別に…たいしたこと…ねぇケド…」
『…どっちもだょ』
「あ?」
『ううん、何でもない』
姫はトコトコと2階へ上がって行った
「…///」
何でオレ…こんなにムシャクシャしてんだ?
…あれか
姫は依頼人だからか
だから親父と一緒にいると、こっちがムシャクシャすんだな
…なんでだ…?