All Arounder
第10章 Parent And Child
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「じゃあ仕事行ってくるね」
ある程度食事を済ませると、ゆうひは鞄を提げて家を出て行った
「いってら…」
斉藤は寂しそうに、それを見送った
『ごちそうさまでした』
姫は手を合わせ、そのあとは自分の食器を洗いに行こうとした
「姫ちゃん姫ちゃん、いいって。オレがやっとくからよ」
『え…でも…』
「いいから」
斉藤は姫から食器を受け取り、流しに持って行く
「じゃあオレのもな、親父」
「てめぇは自分でやりやがれ」
斉藤と大志の睨み合いが始まった
お互い譲る気配はない
『あたし、やるから…』
と、姫は二人の間に入って食器を洗い始めた
「姫ちゃん…絶対いい嫁さんになるに違いねぇ。
でも大志だけはやめとけよ?」
「やかましい」
『お世話になってるんで…これくらいしますよ』
手際よく作業を進める姫に、大志は感心した
姫は屋敷暮らしだったので、てっきり使用人に身の回りのことはさせていたものだと思っていたが…
「オレも…やる」
大志は食器についた泡を水で流していった
『…ありがと///』
「夫婦みてぇだな」
「はあ!!?///」
『ないですよ!!!///』
「はは、んな否定しなくてもいいんじゃねぇか?」
「…///」
『…///』
否定は
するだろう
お互いは、雇い雇われの身なのだから