All Arounder
第10章 Parent And Child
食器を洗い終えると、斉藤は携帯を見た
「おー、ゆうひから"洗濯物干しといて"だとよ」
「親父にメール来たんだから、親父がやっとけ」
「ここは公平にじゃんけんだろぅが~、最初はグー…」
と、斉藤が手を出すと、姫も握りこぶしを出した
「姫はいいって…!!
オッサン(親父)のパンツなんか見たくねぇだろ?」
『え、でも…』
「姫ちゃんはオレの下着が見たいとよ」
『言ってませんよ!!///』
…ということで
じゃんけんに負けた大志は、ブツブツと文句を言いながら洗濯物を干しに行った
「よし、んじゃあ昼寝でもすっかな」
リビングには斉藤と姫だけになり
斉藤はうんと伸びをすると床にねっころがった
『…』
特にすることもないので、椅子に座ってじっとしておいたが
どうも斉藤が気になって仕方ない
なぜ気になるのか?
そんなのこっちが聞きたいくらいだ
年的には親子ほども差があるのに
変に意識してしまうのはなぜだろうか…?
そのうち、軽い寝息が聞こえてきた
『…』
ちらっと後ろを見ると、斉藤はもう爆睡していたのだ
『…///』
たいした意味はないから…と自分に言い聞かせ
姫は斉藤の顔を覗いた