All Arounder
第10章 Parent And Child
『…親子だ…///』
斉藤の寝顔は、朝見た大志の寝顔とそっくりだった
改めて遺伝子の凄さが身に染みる
「んん…」
寝返り…か
斉藤は無意識に、少し顔の向きを変えた
さらに見えた首筋が、色っぽく思えて何とも言えない
…息子も父親も…可愛い顔で寝るんだな…
もし朝起きて、この寝顔が隣にあったなら
その日は幸せに過ごせそうな気さえする
でもなんでか…ちょっかいを出したくなるのは
あたしにも少しはある、子供心のせい?
失礼極まりないとはわかっているものの
ついつい斉藤の頬をつついてしまった
「ゆぅひぉめぇまたぃらねぇことしてんじゃねぇぇ…」
体を引っ張られたかと思うと
思い切り
抱きしめられた
『――!!////』
パニックだ
顔はガンガン熱くなってきたし
頭はグチャグチャになってきたし
心臓はこれでもかというほど、ドキドキと高鳴っている
『あのっ…///』
居心地がいいと
思った
『…///』
人に抱きしめられると
すごく安心するんだな…って
思った