一万回目のプロポーズ
第10章 チューしな殴んぞ
――――――
「涙、止まった?」
あたしの最後に目尻に残った涙を、俊司はそっと拭ってくれた
『うん…ありがと///』
「よかった」
俊司は本当に、心底安心したようにホォッと息を吐いた
やっぱり涙には弱いんだな
「…くすっ」
『?』
突然吹き出す俊司
その理由は全くわからない
『どうしたの?』
「いや、はは、なんかさー…」
俊司は照れ臭そうに、自分の首元をさすりながら言った
「すっげー嬉しくって…明奈が、約束覚えていてくれて…///」
『…///』
じゃあ…
俊司もずっと
覚えていてくれたんだ…
『あたしは忘れたことなかったけど』
少しどや顔を決めてみる
「はあ?俺だって一日もなかったっつの」
『あたしは毎時間ごとに思い出してた』
「俺は毎分」
『嘘つけ』
「そっちこそ」
5秒の沈黙のあと、二人同時に笑った
馬鹿みたいにしょうもない会話がここまで楽しいって…
今まで全然知らなかった