一万回目のプロポーズ
第12章 思い出
そうやって時間が過ぎていくうちに、だいぶ気持ちも落ち着いてきた
「今日は、土産屋に寄ってもう帰るんだよな」
『…それだけだったっけ?』
何だか、寂しいな
修学旅行の最終日、もうそんなイベントしか残ってないなんて
「結局明奈は、土産買えたのか?」
『うん、家族の分は一応…』
俊司は「そうか…」と呟くと、改めてあたしの顔を見た
「じゃあ今日は、俺らの土産買わねえ?」
『え?』
「いいだろ別に、記念記念♪」
嬉しそうに笑いながら、俊司は立ち上がった
部屋の時計を確認して、またほほ笑んでくれる
「バスの時間までもうすぐだし、そろそろ行こ?」
『…うん///』
不思議…
俊司に言われると、どこへでもついていきたくなる