一万回目のプロポーズ
第12章 思い出
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「全員いるか確認したかー?」
担任は2、4、6…と指を立てて数えていく
あたしの席は出発の時と一緒で、隣に俊司が座っている
ただその時よりも、緊張しない分、ドキドキと心臓が鳴った
「キーホルダー、どこにつける?」
俊司がこそっとあたしに耳打ちした
『携帯かな』
「わかった」
土産屋で買ったキーホルダーを袋から取り出すと、俊司はそれを早速携帯につけてみせた
「明奈も早く」
『待ってよ…もう…』
実は意外と不器用なあたし
キーホルダーのチェーン外しに手間取った
「ぶきっちょ」
『これくらいできるから…!!///』
ついついムキになりながらも、あたしはキーホルダーをつけることが出来た
バスはゆっくりと、動き出す
『ほら、どうよ』
「上出来」
ニコッと笑みを返され、あたしははにかんだ
この場に二人っきりだったなら、抱きついていたかもしれない