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一万回目のプロポーズ

第13章 孤独かどうか



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幸せしか訪れることのない人間がいるなんて

思ってない




あたしだって、わかってる




幸せの次に来るのは、幸せじゃないものだって…





でもさ…



こうもありありと見せつけられるなんて


思ってもみなかった…













キイ…



扉を開けて、いつもよりもスカスカとした下駄箱の中を見つめる




『上靴…』




何か大きな鈍器で頭を殴られたように

または、赤が一気に色を抜き取られて、真っ白になってしまうように…






とにかくあたしは、衝撃を受けた











…隠された?










喉を締められるようだ



ふいに俯くと、二足の上靴が転がっていた







『…』




あった…





かかと部分の"笹川"の文字を確認すると、あたしはそれを並べて、履いた

























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