一万回目のプロポーズ
第13章 孤独かどうか
『幸せ、なり』
帰宅後
自室の扉をパタリと閉めてから、ちょっと口の端を持ち上げて呟く
『なかなか、幸せなり』
俊司が言っていたサッカーの練習試合は、今週の日曜日だそうだ
実は俊司のサッカーしてるとこって、あんまりまじまじと見たことないんだよね
楽しみすぎる
どうしよう、何か食べ物もっていってあげようかな…
お守り作っちゃおか!
いや、ガチすぎて引くかな…
机の周りを整理しながらあれこれ考える
もうワクワクしてる
どんな顔して喜んでくれるか、恥ずかしがったりするのか、ゴール決めたり…しちゃうのかなー
『ぁ…』
呼吸の延長で、喉から出た声
心配事ももちろん、脳裏に浮かぶ
千尋も…くるのかな…