
一万回目のプロポーズ
第14章 かませ!
時刻はもうすぐ1時…つまり、じきに試合が始まる時間になろうとしていた
プレイヤーたちの顔もどんどん真剣になっていく
こんなに離れているのに、それが手に取るようにわかる
『ぅぉぉぉ…』
見てるこっちが緊張してきた…
たぶんあんな剣幕で睨まれたらあたし心臓止まるわ
勝負って、苦手…
「まぁかたくなんねーようにがんばろうぜー!」
大きな声でチームメイトを激励する俊司
そんなあいつが誇らしげに思える
『もう始まる…』
ピッ!!
笛がなった
ボールはすぐさま、俊司たちのチームに渡った、と同時に
きゃあああああ!!!
という声援が後をついてきた
『お、おおおお、おお〜』
あたしは間抜けな声しか出なかった
年も同じくらいの子達が、みんな華麗にボールをさばいていくのだから
