一万回目のプロポーズ
第14章 かませ!
うつむいていた
アスファルトの細かいところもぼんやりと見えていた
どんどん潤んで
どんどん熱くなって
何か吐き出しそうになったとき
「ほら立って」
『え?』
あたしは俊司に手を引かれ
立たされ
千尋と向かいあわされた
全身が痛すぎる
でも、目の前にボロボロの千尋の姿が見えると、平気なふりをしないといけない気持ちになる
お互いを睨み合った
さっきまでの死闘が、まだ続いて…
「はい、ゴメンナサイ」
は?
俊司は
あたしと千尋の頭を掴んで
お辞儀させた
これがまた
痛い
『ちょ、俊司、なにして…』
「痛いよ俊司っ、あたま痛いっ!」
「ほら二人とも、"ゴメンナサイ"は?」
『え、なんであたしが謝っ…痛い痛い痛い!!』
「ゴメンナサイは???」
「ご…」
『ごめ…』
『「 ごめんなさぃ…」』
「よし、仲直り」
頭から離れた手は、今度はあたしと千尋を握手させた
これがまたまた、痛い