一万回目のプロポーズ
第1章 幼い脅迫
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「あきちゃん」
砂場で友達と遊んでいると、後ろから声が聞こえた
振り向くと丁度太陽が重なって、
あたしを呼ぶ声の主の顔は真っ暗だった
『?』
目を凝らして見ようとすると、いきなり腕を引っ張られた
『しゅんじくん…///』
ヨタヨタとついて行き、園内を出てさらに進むと
小さな野原に着いた
『だめだよ、しゅんじくん…こんなとこ来ちゃ、先生におこられちゃう…』
「あきちゃん」
俊司が振り向いたところで、ゴォォっと強い風が吹いた
さらさらとした柔らかそうな髪が、風に踊らされる
『…///』
5才児ながら、立派に恋をしたと思う
目の前の男の子に、胸が高鳴ったのだ