一万回目のプロポーズ
第8章 ドキドキの始まり
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それから数週間経った
俊司は、千尋のいないところでは普通に…いや、前よりたくさん喋ってくれるようになった
どうしてかな?
もし、あの夜の電話の内容を気にしているとしたら
ちょっと嫌だ
あたし、同情を寄せてもらうために話しちゃったみたいだし…
そんな感じで、とうとう修学旅行の日が来てしまった―――――――――
「明奈」
バスに乗り込む直前、後ろから小さい声で呼ばれた
振り向くと、すぐ横に俊司の顔があった
『ちっ…近っ!!///』
「隣座ろ」
え?
バスに乗り込み、空いている席にあたしが座ると
俊司は隣に座ってきた
まっ…マジで!!?///
『俊司…あの…///』
「何、俺が隣じゃ不服か」
そう言いながら、俊司が席を立とうとした時
あたしは咄嗟に俊司の服を引っ張ってしまった
『不服じゃない…///』
「…///」
俊司は黙って、もう一度あたしの隣に
腰を下ろしてくれた