一万回目のプロポーズ
第8章 ドキドキの始まり
クラスの他の子が全員バスに座る間、あたしはずっと頭を伏せていた
「しんどいの?」
『ううん』
だってみんなの俊司君でっせ!?
あたしが隣にいたら、女子にはもちろん男子からも反感買うわ!!
「…大丈夫か?」
俊司はあたしの背中をさすってくれた
うわーこの人ガチで心配してるわ
『大丈夫だから、まだバス走ってないじゃん』
「だって…しんどそうだし…」
少し落ち込む俊司が、本当に可愛らしい
『…ありがと///』
バスが走り出した
窓の外を見ていると、いつも助手席に座って見る景色より随分視線が高く
なんだか不思議な気分だ
まだ朝早くなので、犬の散歩や通勤途中の人を多く見かけた
しばらくバスが走っていると、高速に入った
スピードを上げ、ぐんぐんと進んでいくのが気持ちいい
窓を開けたくなるくらいだ
と、無意識に窓の縁に手を触れた時…