一万回目のプロポーズ
第8章 ドキドキの始まり
『あっ…!!』
あたしは山口君に
壁際に押し付けられた
「笹川さん…好きなんだよ…笹川さん…」
乱暴で
汚らしい息遣いに
憤りを覚える
『や…やめてよ…!!』
何をどう抵抗したらいいのか
全くわからずに
「笹川さん…お願いだよぉ!!」
『あ…あたしには好きな人がいるからぁあ!!!』
押さえつけられていた体が
急に軽くなった
『…』
山口君の胸倉を掴む長い腕を
ゆっくりと目で追っていった
『…俊司…///』
俊司は、足をすくませた山口君を
ただ睨みつけた
「た…竹村君…何するんだよ…!?」
「うっせぇ」
山口君をドンッと押し退け
あたしの方を向いた
『俊司…あの…///』
お礼を言おうと思ったら
今度は俊司に
引っ張られていった