一万回目のプロポーズ
第8章 ドキドキの始まり
「…お前何言って…」
『言うまで離さないんでしょ?じゃあ離さなくていいよ』
あたし
ほんとに何言ってんだか…
恥ずかしいったらありゃしない
でも…
『…離さないで欲しいから…』
「…明奈」
『?』
「お前明日、誰とディズニー行くの?」
『…友達』
あたしがそう答えると
俊司は一歩、あたしに近づいた
「それ、断っといて」
『は?』
「明日は、二人で回らね?」
やっとニカッと笑ってくれたその表情に、ついつい目を奪われる
『や…でも…俊司は千尋と約束してないの?』
そう言うや否や、あたしは強烈なデコピンを食らった
『いだぁ!!』
「もうそういうの、聞き飽きた」