一万回目のプロポーズ
第2章 8年の溝
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程よい温度と、窓から吹き込んでくる風が心地好い
昼寝するにはうってつけの日だった
「ねぇねぇ、クラスの男子なら誰がカッコイイ!?」
「えーそりゃ竹村君っしょ」
「だよね!!わかるわかるっ…明奈、いつまで寝てんの」
コツンと頭を小突かれ、あたしは机に伏せていた顔を上げた
『…痛い、寝させてよ』
「あんたねー…中3にもなって恋ばなに興味なしって、一体どういう神経してんの」
友達の指摘に、思わず口を結んだ
あたしだって…別に興味がないわけじゃない
今は、とりあえず眠いんだよ
「で、明奈のタイプは誰~?」
『…山口君』
「!!?
嘘っ、あんなブスがタイプとか…オタク丸出しなんだけど…!!」
「ちょっと、本人後ろにいるよ…」
友達は後ろを振り向くと、「やば」と口を押さえた