あなたの為に背伸びして。
第1章 冷たくされるのは嫌い。
道行く人は老若男女揃って頭から足まで暖かく着込み、それでも寒そうに肩を竦め白い息を吐き出していた。
こんな薄着で出てるの、私だけだよな。
またほっと息をつく。白い息が漂い消える。
あぁ…
アパートに着くとオートロックの扉を開け、すぐそばのエレベーターのボタンを押した。
今日も寝ずに朝を迎えた。まだ眠気はない。
ポケットに入れていた携帯を取り出す。世間はスマートフォンだのアイフォンだのやいやい騒いでるけど、私はまだまだ二つ折のガラケー。
欲しいんだけどね。
メールが一件入っていた。