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2人乗り

第4章 ふれることから


アキラの肩を抱いて

ドキドキしながらも

少し気まずい雰囲気の中



門限が近くなり

アキラは帰ることになった




もちろん俺が

自転車で送って行く。




部屋を出る前に


「あ~もっと一緒に居たいな~」


って言うと、アキラは


「そーだね」


と、はにかんだ。






そーだね…




そのたった一言が


「私、直希が好き。」


に聞こえる。







俺、ちょっと壊れてるな(笑)





アキラを自転車の
後ろに乗せると

もう慣れたように
アキラは左手を
俺に巻きつけた。




それがサインのように、
俺は自転車をこぎはじめる



少し暗い道をどんどん走る



あまり話さなくても
幸せな気分だ。




暗いから

誰の目も気にせず

俺は終始

ニヤけた顔をしていた



と、思う。







いつもの神社にさしかかった



その時



アキラが黙ったまま

そっと右手を




俺の右の脇腹に置いた





俺の心音が

跳ね上がる






俺の脇腹に置かれた

アキラの右手を

そっと握った。





そして




アキラの左手と

クロスする位置まで

ゆっくりと

アキラの右手を動かし

俺は手をはなした。







ちょっと無理やりだけど


アキラが……




俺を


抱きしめていた






アキラを









帰したくないって

すっげぇ思った





でも・・・・





あーっ!!!!

もう、着いちゃうじゃないか!

くっそぉ~~~

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