2人乗り
第2章 手をつなぐとこから
俺はアキラと
付き合うようになった
バイトのない放課後は、
急いでアキラの通う
学校の裏門まで
アキラに会いに行く
アキラの家まで
送るときもあれば
帰りに寄り道する時も。
俺の家は
親父と2人で
暮らしてるから
夜になるまで俺ひとり
だから
アキラは時々
俺の部屋に来ていた
幼馴染みという関係だった頃は
でも付き合うように
なってからは
まだ一度も来てないんだ…。
今日は、バイトが無い。
いつものように
裏門の脇でアキラを待つ俺
あ、来た。
アキラが
笑顔で小さく手を振った
「な~お~きっ、お待たせっ」
と言って自転車を
俺の横にシュッとつける
ショートカットの髪が似合う
ちょっと活発で
かっこいいアキラが
俺は好きだ
「ねー直希、お腹すいた~~
なんか、食べに行かない?」
と言ってアキラが俺を見る
お前は俺のこと
まだラブじゃないのかも
しれないけど
俺はお前のこと
超ラブなんだぜ?
そんなかわいい
上目遣いすんなよ~
なんか
胸の中がワァ~って
なるじゃんか!
「アキラ、腹減ってんの?
何食べたいんだよ。
バイト代入ってないから
俺、あんまり
金持ってないよ?」
「大丈夫大丈夫、
私お金もってるし、
ハンバーガー食べたいっ!」
まだまだアキラは
幼馴染みの感覚で
付き合い方も友達感覚だ。
俺、彼氏なのにさ…