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2人乗り

第2章 手をつなぐとこから

「いいよ
じゃ、ハンバーガーな。

それなら、おごってやるぜ!
行こっ。」





そう言って
2人並んで自転車をこいだ


風が心地いい


髪が短いアキラは
そよぐ風に髪が乱れるのも
気にせず自転車をこぐ




そんなとこも、好きなんだ






2人乗りなら
もっと近づけるのに…


後ろから、ぎゅっとか…
してくれんのかな~…


そんな事を考えながら
俺は自転車をこいだ





ハンバーガー屋に着いて
自転車をとめた


自転車に鍵をかけ
カバンを手にしたら
すぐに俺はアキラの手を握る






手をつなぐのは、OKなんだ




手をつなぐとこから
はじめたんだからな
俺たち。





でも、アキラから
手をつないではくれない


俺が、当たり前のように
手を握ると
必ず俺から目をそらすんだ


いつもは積極的なアキラが
ちょっと…
おとなしくなっちゃうんだよ





嫌なのか?って
前に聞いてみたら




首を横に二回振って

「慣れてないだけ」

って言ってた




先輩とは




キスまでしてんのに……




あ~~!

ムカついてきた

アキラは先輩とキスしてんだっ

くっそ~!俺もして~!!





ハンバーガー屋で
レジに並んでも

財布を出すまで
繋いだ手は離さない



俺は出来るだけ
アキラに近づいた



無邪気な笑顔で
ハンバーガーを選ぶ
アキラの横顔がかわいい


「直希は何にする?」


って、アキラが俺を見た


「アキラとおんなじヤツ」


って答えたけど
どーだってよかった




手をつないでる事で
胸がいっぱいだったから







あっ・・・注文したら
手、離さなきゃいけないのか…



もうちょっと
悩んだふり
すればよかったかな…





俺はハンバーガーの
金を払うために

仕方なく
アキラから手をはなし
金を払った





次に手をつなげるのは




この店出る時か……








早く、つなぎて~なぁ・・

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