CROW―二つの魂―
第2章 恋人
初夏の風が、頬をすり抜ける。
玖郎は、昼間の京の街を歩いていた。
『あー…やっぱりまたこの夢だ』
九郎は、予想していた通りの展開に半ば諦めてい た。
しかし、今回の夢はいつもと違っていた。
昼間なのだ。
今まで見てきた玖郎の夢は、ほとんどが夜であ り、明るい時間帯での夢など見たことがなかっ た。
とにかく、玖郎はどこかに向かっているようであ る。
京の街から、外れたところにある林を抜けると、 古い小屋があった。
屋根の、部分にある煙突が煙を吹き、
音が、一定の間隔で聞こえてくる。
『ここは……そうだ……鍛冶屋だ』
九郎は、なぜか玖郎の記憶を、共有化することが 出来ていた。
『うん……あの人に逢いに来たんだ』
玖郎が、鍛冶屋の戸を開けると、
性が、一心不乱に刀を打っていた。
年の頃は、17、8程。 絹のような長くて艶やかな髪をまとめ上げ、透け るような白い肌は煤で汚れている。
「雪……」
その女性の名前を呼ぶと、女性も玖郎に
玖郎が、
気が付き、満面の笑顔で、玖郎を出迎える。
「玖郎様!!」
名前を呼ぶと、雪は玖郎に抱きつき頭を、玖郎の 胸にうずめる。
「お会いできて、雪は嬉しゅうございます……!」
玖郎も、普段の冷徹な顔からは一転、優しく微笑 んでいる。
「俺もだよ、雪」
玖郎は、昼間の京の街を歩いていた。
『あー…やっぱりまたこの夢だ』
九郎は、予想していた通りの展開に半ば諦めてい た。
しかし、今回の夢はいつもと違っていた。
昼間なのだ。
今まで見てきた玖郎の夢は、ほとんどが夜であ り、明るい時間帯での夢など見たことがなかっ た。
とにかく、玖郎はどこかに向かっているようであ る。
京の街から、外れたところにある林を抜けると、 古い小屋があった。
屋根の、部分にある煙突が煙を吹き、
音が、一定の間隔で聞こえてくる。
『ここは……そうだ……鍛冶屋だ』
九郎は、なぜか玖郎の記憶を、共有化することが 出来ていた。
『うん……あの人に逢いに来たんだ』
玖郎が、鍛冶屋の戸を開けると、
性が、一心不乱に刀を打っていた。
年の頃は、17、8程。 絹のような長くて艶やかな髪をまとめ上げ、透け るような白い肌は煤で汚れている。
「雪……」
その女性の名前を呼ぶと、女性も玖郎に
玖郎が、
気が付き、満面の笑顔で、玖郎を出迎える。
「玖郎様!!」
名前を呼ぶと、雪は玖郎に抱きつき頭を、玖郎の 胸にうずめる。
「お会いできて、雪は嬉しゅうございます……!」
玖郎も、普段の冷徹な顔からは一転、優しく微笑 んでいる。
「俺もだよ、雪」